日本は「晩婚化が進んでいる」と言われ、少子高齢化と並んで社会問題にもなっています。
2015年の厚労省の調査では、日本人の平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.4歳で、今後ますます初婚年齢は上がっていくと考えられます。
いまあなたが30代後半なら、そろそろ今後の人生設計を考える時期に差し掛かっているでしょう。
今回は35歳をボーダーラインとして、30代後半から考える結婚と人生設計についてお伝えします。
目次
人生設計でビジネスと並んで大きなウエイトを占めるのが結婚です。「35歳で結婚」はギリギリのボーダーラインと考えて良いでしょう。
「小さい頃は30代でもう結婚しているイメージだった」という男性も多いですが、35~39歳の男性の未婚率は2015年で35%と、30代後半で独身の方は決して少なくありません。
しかし、35歳の段階で独身の男性は、結婚についてのスタンスはある程度固めておくことが大切です。
単刀直入に言うと、35歳をボーダーラインとして婚活市場での男性の価値は下がっていきます。
年齢というアドバンテージでは、どうしても20代後半や30代前半の男性と比べると不利になります。そのかわり、収入面が結婚において重要視されるようになります。
30代後半で結婚するには、年齢以外の魅力、とくに結婚後の生活に不安のない程度の収入は最低限必要となるでしょう。
また、30代後半はご両親がすでに還暦を迎えたという人も多く、ご両親との同居や介護が気になってくる年代でもあります。
可能であれば、ご両親が健在なうちに兄弟姉妹と相談しておきましょう。
キャリアプランにおいても、転職や昇進など35歳は人生のボーダーラインとして考えられます。
30歳後半になると、社会人として10年以上のキャリアを積んでいる人も多いでしょう。
結婚、子育てを経て40代に差し掛かると、マイホームや子供の教育費などさまざまな出費が待ち構えており、30代のうちに安定的な収入を確保しておきたいものです。
転職にしても昇進にしても、想定していたポストや収入が手に入るとは限りませんし、昨今の不安定な景気のなかでいつリストラされるとも、会社が倒産するとも限りません。
30代後半までにある程度の経験やキャリアを積み、客観的に見て魅力的な人材であることが証明されないと、結婚後の生活や人生の後半戦を安心して過ごすことは難しいでしょう。
したがって、自分の適性や適職を見極め、稼ぐ能力を備えておくことが今後の人生を豊かに過ごすためのカギとなります。
さらには老後の2,000万円問題で明らかになったように、多くの人にとって年金だけに頼った老後はリスクが高いと予想されます。
個人年金やNISAなどの老後を見据えた積立て、あるいは何歳まで働くかについてもイメージしておく必要があるでしょう。
35歳で結婚して1人目の子供が生まれて……と考えると、育児を開始するのが早くて36歳、37歳からになります。
仮に36歳で親になったとしたら、子どもが大学を卒業するときに58歳、40歳で親になったら、子どもの大学卒業時には62歳です。
子どもが生まれるタイミングが遅ければ遅くなるほど、教育資金をはじめとするお金の問題はシビアになってきます。定年退職後に子どもの教育資金を工面しなければならない状況にもなりかねません。
結婚と子どもについては出会いの運も大きく関わってきます。35歳で婚活を始めたとしても、36歳になるまでにお相手が見つかり、結婚できるとは限りません。
また、結婚しないで独身を貫くという選択もあります。その場合は子どもにかける教育資金や養育費用はかからないものの、万が一のときに子どもに頼ることができないというリスクも考えなければなりません。
独身を貫くと決めたのであれば、30代のうちに老後を一人で過ごすための準備も必要となるでしょう。
マイホームの購入も、遅ければ遅いほど資金面がシビアになってきます。
現在は賃貸を選択する人も多いですが、マイホームの購入を夢見ているなら、どんな物件をいつごろ、どうやって購入するかを考えておく必要があります。
マイホームを現金一括払いで購入することは非現実的です。多くの場合は住宅ローンを組んで数年にわたって返済していく方法を選択することになるでしょう。
たとえば、37歳で25年ローンを組んでマイホームを購入したら完済するのは62歳、40歳で25年ローンなら完済は65歳です。
60歳で定年退職した場合は、退職金や年金を返済の充てにする必要があります。つまり、ローンの返済中は働き続けなければならないため、マイホームの購入が遅くなるほどリスクは大きくなるのです。
諸々のリスクを考慮してもマイホームを購入したいと考えるのであれば、頭金を多くするか、リーズナブルな物件を購入するかして、対策を講じておきましょう。
30代後半だからといって、結婚や子育て、マイホームの購入を諦めなければならないということはありません。
40代で子どもの教育資金や住宅ローンなど大きな出費があること、50代で老後の準備を始めることを考慮して、30代後半のうちにライフプランを設計しておきましょう。
人生は予定通りに行かないものですが、それでも35歳にライフプランの設計図のイメージを形作り、40歳から実行の目処を立てておくのが理想です。
30代後半から考える結婚と人生設計について、今から意識しておきたいことを解説しました。
これから20年、30年後のことを今からプランニングすると言っても、一人ではなかなか手がつけられないもの。
そんなときに頼れる存在が、ファイナンシャルプランナーやライフプランアドバイザーです。
「子どもは2人ほしい」「マイホームを購入したい」「老後に苦労しないよう貯蓄したい」など、将来の夢や目標を明確にするためにも、ぜひライフプランニングのプロに相談してみてはいかがでしょうか?